浴恩館の歴史

小金井市の史跡「浴恩館」

浴恩館とは

浴恩館とは、平成5年に小金井市文化財センターとして小金井市の郷土資料を展示する博物館です。建物自体はさらに歴史があり、昭和3年 まで遡ります。

浴恩館のあゆみ

浴恩館は昭和3年に京都御所で行われた昭和天皇即位大嘗祭の神職の更衣所を日本青年館が譲り受け、この地に移築されました。主に青年団の 指導者層が集まり、人間形成をする講習所として機能します。のちに青年館の設立理事であり、「青年の父」と謳われた田澤義鋪(たざわよしはる) は、「次郎物語」の作者であり故郷佐賀の後輩である下村湖人(しもむらこじん)を所長に据え、実践教育に当たらせました。

戦時体制下の浴恩館

日本国が徐々に戦争にあゆみを進めていくと全国から有為な青年が集まる浴恩館は、軍事教練の場として軍部に目を付けられました。昭和12年には 下村湖人が講習所所長を辞任し、軍事教練場化が本格化しました。

戦後の浴恩館

戦争が終結すると浴恩館は、再度青年教育の場、或いはユースホテルとして復興します。しかし、高度経済成長期に突入すると農村社会を支えた が自然消滅し、日本青年館は維持困難に陥りました。そこで教育の場としての利用を条件に小金井市に売却。青少年センターとして開館しました。 さらに平成5年、館内を改装し現在の小金井市文化財センターとして再出発を果たしました。